「私は高齢妊娠なので、とても心配です。」といわれる患者さんをお見うけします。あるいは、これから子どもさんをつくられようとする場合、「高齢だけど妊娠して大丈夫ですか」とよく聞かれます。 高齢妊娠は危険なものであるという意識が浸透しているようです。
何歳からという定義はありません。日本産科婦人科学会では、「高年初産婦」は35歳以上の初産婦と定義していますので、高齢妊娠についてもおよそ35歳以上と考えてよいでしょう。 むしろ、妊娠するのはどの年齢が最適かを考えた方がよいかも知れません。右上の流産の表でも、25-34歳あたりが一番流産率が低いですね。実際にはすぐに妊娠できる訳ではないから、3年ぐらいのゆとりを考えると、22-32歳頃には妊娠を考えた方がよいということになります
女性の社会進出や晩婚化によって、高齢妊娠・出産が増加しています。10人中1人は35歳以上の妊婦さん・・・といっても過言ではないでしょう。しかし、高齢出産を望む人がみな妊娠できるわけではありません。 高齢出産における最大のリスクは妊娠し難いこと・・・つまり「不妊」です。その現実を踏まえて、高齢妊娠・出産についてみていきましょう
健康な男女が排卵日に性行為をして妊娠する確率は35歳未満なら20〜25%、35〜40歳では10〜15%とされています。さらに年齢を重ね、40歳後半になるとその確率は4%にまで下がってしまうとか。高齢になると妊娠し難くなるのは卵子が老化するうえ、婦人病や生活習慣病(子宮筋腫など)が急増するためです。 また、30代後半になっても出産経験がない場合にはからだが「妊娠しない」という信号を受け、それにより卵巣が小さくなり妊娠し難くなる・・・という説もあります。もちろん、高齢でも元気な赤ちゃんを産む人はいます。しかし、高齢出産を望む場合にはあまり時間が残されていない・・・ということを頭の片隅にしっかり入れておきましょう。